マッキー牧元×GOOD EAT CLUB共同開発!「味一ねぎしゃぶ」と「極みえのき鍋」


日本中の鍋を食べてたどり着いた、究極の鍋

毎年冬になると、落ち着かない。なぜなら鍋の季節だからである。私はなにを隠そう(隠す必要もないが)、一般社団法人「日本鍋奉行協会会長」である。そのため全国の鍋に精通している。
なぜここまで鍋に入れ込んだかというと、鍋を囲むと、囲む人たちの間で、「和」が生まれるからである。さらに言えば、鍋には、料理の基本が詰まっているからである。
水炊き、しゃぶしゃぶ、魚すき、ふぐちり、アンコウ鍋、豚しゃぶ、すき焼き、寄せ鍋など、全国には200種以上の鍋が存在する。だが、あらゆる鍋を食べてきたので、もう滅多なことでは驚かない。そんな私が腰を抜かしたのが、大分で出会った「ねぎしゃぶ」だった。
シャキシャキ食感が楽しい「味一ねぎしゃぶ」

「ねぎしゃぶ」と聞いて、腹が空く人は少ないと思う。しゃぶしゃぶといえば、牛肉や豚肉、鯛やハモといったタンパク質が主役になってこそ、威力が発揮されるからである。そんな中、私が出会った「ねぎしゃぶ」のネギは、大分宇佐市で栽培される「味一ねぎ」だった。

細いネギであるが、博多細葱やアサツキ等と比べると柔らかく、薬味としては物足りない。だがその柔らかさこそが、しゃぶしゃぶにすると俄然生きるのである。

生で齧るとツンとした刺激があって、香りが高い。しかし玉ネギ同様、その刺激要素に火が入ることによって、甘みと転じるのである。柔らかいので、口に繊維が残らないが、ジャキッと噛み切る爽快さはある。
「こりゃあうまい」と叫んで、鱧も豚バラも用意していただいたのに、最後は「ネギ、ネギ、ネギ」と、一同、ネギしか食べずにネギの取り合いとなった。
そして「もうこれから鍋は、味一ねぎしか使わん」と、コーフンして宣言する。それからは、「ねぎしゃぶ」と聞いただけで、お腹がすいてしまうようになったのだった。
このネギで開発したのが今回の豚とネギの鍋である。

ネギを豚肉で巻いて食べれば、豚肉とネギの両方の甘みが相乗し、箸が加速して止まらなくなる。こうして、味一ねぎの楽しみ方を極めた鍋が出来上がったのである。


エノキとキクラゲ薫る「極みえのき鍋」

もう一つの鍋の主役であるエノキは、白金台にあるフレンチにて出会った。
エノキといえば、あらゆる鍋に添えられる食材だが、主役ではなく脇役である。脇役の中でも一番地味な存在である。「鍋をしていて、エノキの取り合いになりました」なんていう話は聞いたことがない。しかしそのエノキは違った。明らかに違った。

そのフレンチでは、ステーキの付け合わせとして、添えられていたのである。大体フレンチにエノキは似合わない。ステーキの付け合わせにも似合わない。安い食材という印象があるため、高級感あふれるフレンチをはじめとした料理店では、使われない。
ところがどうだろう。そのエノキは食感にたくましさがあって、シャキシャキと弾み、勇壮な味のステーキを盛り上げるではないか。今まで食べてきたエノキとは違う食感と香りがある。
聞けば、高知で栽培している「極みえのき」というブランドだという。それは是非生産者を訪ねなくてはいけないと出かけたのである。
「極みえのき」を作っているのは、高知市にある「横田きのこ」の横田慎二さんである。このエノキの美味しさの秘密は、培地の時に室戸沖の海洋深層水を入れることだという。

ミネラルと塩分、カルシウム豊富な海洋深層水で育ませることによって、甘くて歯応えも増し、鮮度保持の長さも増える。高知は魚介が豊富で美味しいことが知られているが、それも栄養分豊富な海で魚たちが育つからである。
エノキもまた、高知の豊かな海の恩恵を受けていた。室戸から海洋深層水を運び、1日250リットルを使う。栽培場を見学させてもらうと、薄暗い部屋の中では、6千本の菌が眠っていた。

エノキは、全国で13〜14万トンの生産量で、長野と新潟で8割作られている。ただしこの極みえのきは別格だ。値段も普通のエノキよりは高いが、高いだけの理由がある。これは、安物と思われていたエノキの逆襲ではないか。フレンチでも使われて、エノキの地位を一気に上げるのが、極みえのきなのである。
そんなエノキを鍋にしよう! そして実現したのが、この鍋である。噛んでみて、耳を澄ませて欲しい。「シャキシャキッ!」と、隣の人が噛む音が聞こえるから。

スープをゆっくりと味わって欲しい。キノコからにじみ出た滋養が甘みとなって、舌を抱きしめるから。そしてこのスープでつくる〆の雑炊の美味しいこと。もう考えるだけでにやけてしまう。

ぜひ取り寄せて、食べてみて欲しい。必ずやネギとエノキの概念が変わることを約束する。

最後の一滴まで楽しみ尽くせるように、〆までこだわりました
各商品のページでは、GOOD EAT CLUB編集部がマッキーさんから聞いた、スープの最後の一滴まで楽しんでいただくための〆の食べ方をお届けします!




「極みえのき」の力強い食感と香りは、一口目でえのきの概念をガラリと変えてくれるだろう。きのこと野菜の旨みが溶け合ったスープは、3段階の〆で最後の一滴まで食べ尽くして!