世界1位の食いしん坊“が発掘!日本全国「次世代スターシェフ」【渡真利泰洋 レストラン エタデスプリ】

世界1位の食いしん坊“が発掘!日本全国「次世代スターシェフ」【渡真利泰洋 レストラン エタデスプリ】

ぼくは、外食がだいすきだ。
絵画を目で見たり、
音楽を耳で聴いたりするように、
「食」という、料理人の表現を
口で鑑賞することが好きなのだ。

今まで120ヵ国以上を旅して、
感動する料理に出会うことに
人生を捧げてきた。

そんなぼくが今応援したいのは、
「日本の地方の若手シェフ」。

以前は日本の地方で
革新的なレストランを続けることは
難しかったけれど、
SNSが広がり、おもしろいことを
していれば話題になる地盤ができてきた。

働き方改革が進み、
平日に人々が移動しやすくなれば、
その流れはさらに加速するだろう。

日本の地方はこれからもっとおもしろくなる──。
今回は、そんな予感を確かなものにしてくれる、
次世代スターシェフの逸品を選んでみた。
とくとご賞味ください。

沖縄のリゾートホテルで、革新的なフレンチを

リゾートで革新的なレストランを経営することは難しい。なぜなら、リゾートに来るお客さんは食に興味がある人ばかりではないし、むしろそうじゃない人の方がはるかに多いから。

そんな中、沖縄県の宮古島にあるレストラン エタデスプリは、かなりおもしろいフレンチレストランだ。同店は「紺碧ザ・ヴィラオールスイート」というリゾートホテルの中にある。同ホテルをつくる際、オーナーが宮古島の食材を使ったイノベーティブな料理をふるまうレストランを宿の中に作りたいと考え、そこで白羽の矢が立ったのが、宮古島出身の渡真利泰洋(とまり・やすひろ)シェフだ。

海以外、周りに何もないようなリゾートで「無難じゃない料理」を提供することは、経営側の理解がないと絶対にできない。それをやり遂げていることに対して本当に尊敬するし、だからこそ、彼らは自分たちのレストランを発信していきたいという思いも強い。ぼくはその点にも惹かれてしまった。

渡真利シェフの驚くべき「ストーリーテリング能力」

渡真利シェフのすごいところは、そのストーリーテリング能力だ。同じ料理を食べるにしても、ストーリーの中に位置づけられているものとそうでないものとでは、やっぱり印象や感動がまったく違う。

たとえば、「宮古島にある食材を使った料理」を宮古島のレストランで提供することは、当然と言えば当然のこと。けれど、それだけだと必ずしもお客さんが満足できるコースを組めないこともある。そういったときに渡真利シェフは、妥協するのではなく、博物館などに出向いて「昔の宮古島では、鹿が生息して食料とされていた」といった事実を調べてくるのだ。

今は宮古島では捕れないけれど、鹿を使って料理することは、昔の島の歴史について考え直すことにつながるのではないか──。そんな風に、使う食材を広げていく。想像を膨らませて料理を作る。そこが彼のすごいところである。

『島で今捕れるもの、失われかけているもの、失われたもの』を表現した一皿

ぼくがすごく印象に残っているエタデスプリのメニューは、「宮古島で今捕れるもの、失われかけているもの、失われたもの」というテーマの一皿。

たとえば、『失われたもの』としては、「#オーバンマイ」という料理が出てきた。オーバンマイとは、年に一度、佐良浜漁港で行われる大漁を祈願した祭のことで、漁師が船の上から島民に向かってカツオを投げて振る舞うのだという。だが、この皿に使われているウブシュー(ヤイトガツオ)というカツオはあえて内地から取り寄せられている。昔はウブシューがたくさん獲れていたが、水温上昇や尖閣諸島問題などが原因で、近年はほとんど水揚げされなくなってしまった──そういった島の問題が、皮肉を込めて美しく表現されているのだ。

また、こちらは『失われつつあるもの』として、マングローブ蟹が出てきた。割れた皿は、「破壊された海」が表現されているという。美しくもメッセージ性のあるこれらの料理たちは、ネガティブな問題もアートとしてポジティブに表現されており、まさに渡真利シェフの想像力がひとえに盛り込まれているメニューだと言えるだろう。

制限があるところにイノベーションは生まれる

沖縄は、必ずしも食材に恵まれているわけではない。たとえばそれは、魚介をとってみれば一目瞭然だ。海水温が高いし、どう考えても本州や北海道の魚介には勝つことができない。

日本の地方で、「その土地にあるもの」だけをそのまま出して通用するのは、すごく限られた地域だけだ。「ない」ものをどう補うか。そのためにはやっぱり技術や見せ方の工夫が必要で、そういったものでお客さんが満足するレベルまで料理のレベルを高めなくてはいけない。料理人は、ある意味加工業。渡真利シェフは、そこを極めている。

制約があるところからイノベーションは生まれていく。「沖縄に関係する食材だけでつくる」という制限を設けているからこそ、クリエイティブにならざるを得ないのだ。

そんな渡真利シェフがつくる料理を、ぜひみなさんにも味わってみてほしい。

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