日本の究極のごちそう「おむすびの旅」

日本の究極のごちそう「おむすびの旅」

「ああ、おむすびってごちそうなんだ」

海苔漁師のお母さんが目の前で
むすんでくれたおむすびを食べたとき、
あまりの美味しさにため息が出た。

パリッと歯切れ良くて
うまみたっぷりの焼きたて海苔に
口の中でホロッとほぐれて
ほんのり甘いお米、
それぞれのおいしさを引き出し、
味をまとめてくれるお塩。

脳に直接刺激がやってくるような
華々しい美味しさではなく
身体中の細胞が喜ぶような、
染みわたる美味しさ。

私がおむすびに惚れた瞬間でした。

その後「旅するおむすび屋」として
全国各地を巡りながら、
たくさんの生産者さんや食材に出会い、
おむすびをむすび続けてきました。

具入りのおむすびももちろん大好きだけど、
シンプルだからこそ奥深い、
海苔、米、塩のみのおむすびの魅力に
ますますハマっています。

まだまだ旅の途中ですが、
私が今オススメしたい
おむすび食材を紹介させてください。

この組み合わせでおむすびをむすぶと、
6〜7個ペロリと食べてくれる方がたくさんいます。
 

おむすびを「ごちそう」にしてくれる海苔を巻きましょう

おむすびには海苔を巻くことが多いと思います。味の構成要素として存在感があるはずですが、おむすびに巻いてある海苔の味を意識したことはありますか?

案外「気にしたことなかった」という人が多いんです。私も海苔漁師に出会うまではそうでした。海苔のレベルを上げてみると、おむすびのごちそう度がグンと上がるのでぜひ試してみてほしいのです。

今回は、おむすびにぴったり、そして地域ごとの個性も楽しめる2種類の海苔をセットにしてみました。

宮城に面する太平洋の荒々しさ、熊本に面する有明海の穏やかさも感じられるはず。ぜひ、まずは海苔だけで食べ比べた後におむすびに巻いて食べてみてください。

宮城:アイザワ水産「厳選」
相澤太さんの海を感じる海苔  

「海苔を育てるのも加工するのも本当に難しくて奥深い。毎年真剣勝負だけど、深めれば深めるほど一生だけで自分が納得できる海苔がつくれると思えないんだよね。だから、生まれ変わっても海苔漁師になりたい」と話してくれるほど海苔づくりに惚れているところに、私は惚れています(笑)。

人生をかけて海苔を育てている太さんが目指すのは「5回噛んだときにうまみが爆発する海苔」。

「太平洋の荒波の中で育った海苔は力強くて歯応えがある。その特徴を活かしてうまみの余韻を楽しめるように加工したり、海を感じてもらうために塩味を少し残したりするのがこだわりかな。塩味を残すと長期保存には向かないから卸先に嫌がられることも。

だけど、自分のブランドとして出してる『厳選』は加工してすぐにお客さんに届けるから、おいしさを最優先につくってるよ。」

太さんの海苔「厳選」をおむすびに巻くと、お米の甘みの後に海苔のうまみと磯の香りが追ってきます。

パリパリを味わう1口目は香ばしさの後に噛めば噛むほどうまみが出てきて、しっとり食感を味わう2口目以降は磯の香りを強く感じられるなど、少し違った顔を見せてくれるので、人肌以上の温度のおむすびに巻いて変化を楽しみながら食べるのがオススメです。

「宮城の海苔というより太の海苔」と言われるほど個性的な海苔づくりをする相澤太さん

熊本:浦山海苔「たそがれ」
浦山幹弥さんが夕方にしか収穫しない理由

熊本県熊本市の浦山幹弥さん。口数は少ないけど、毎年全国の海苔を食べ比べたり海外へ勉強に行ったりと、内側には熱い想いを持っていて、若手ながら先輩漁師が嫉妬するほどおいしい海苔を作ります。

「自分が育てた海苔しかほとんど食べたことがない漁師も多いんですけど、食べてくれる人がどんな海苔を美味しいと思うかをちゃんと知ったり、全国の海苔と比べたときの有明海苔の特徴をきちんと理解したりした上で、海苔をつくって届けたいんです。」

幹弥さんの海苔は、パリッと頬張ったときに香ばしさを感じた後、口の中でとろけて甘みが上品に広がっていきます。

「僕の海苔づくりへのこだわりは、有明海の特徴をきちんと活かすこと。潮の干満の差を利用して、海苔を育てる過程で何度も天日干しをしてうまみを凝縮させていきます。

収穫は、光合成が終わる夕方、海苔が一番栄養を蓄えている状態のときに行い、すぐに加工します。そうすることで柔らかく、うまみや甘みがいっぱいに詰まった海苔になるんです。」

商品名である「たそがれ」は、収穫時間に船から眺める、夕焼け色に染まる有明海をイメージしてつけたそう。

幹弥さんの海苔は袋から出してすぐ、その瞬間に食べるのが一番感動します。パリパリの状態でおむすびに巻いたら、時間を置かず口へ運んでください。

先輩漁師も認める、有明海苔のホープ浦山幹弥さん

山にも四季があるように、海にも四季がある。
井上雄然さんの冬の海の塩

お塩を初めて美味しいと感じたのは「百姓庵」さんのお塩をいただいたときでした。しょっぱいだけでなく、甘みやうまみなどを複雑に感じられて、塩を“舐めた”というより、まるでだしを“味わったような”という感覚。

私が「百姓庵」さんのお塩でおむすびをむすぶと「どこのお塩か知りたい!」「塩だけで食べさせて!」と子どもからも大人からも毎回リクエストをもらいます。思わず二度見してしまうお塩なんです。

名店のシェフからも引っ張りだこで、“塩の魔術師”の異名を持つ、「Sel Sal Sale(セルサルサーレ)」オーナーシェフの濱口昌大さんも愛用されています。

お塩のおいしさの裏側に出会うため山口県長門市にある塩づくり現場に伺うと、目の前に広がる美しい油谷湾から汲んだ海水を丁寧に丁寧に炊いていて、まさに神秘的な世界がそこにはありました。 

井上雄然さんのこだわりは、組成の異なる結晶を混ぜ合わせ海のミネラルバランスに戻す独自の製法“天地返し”

「塩づくりをする場所を全国で探しまわって、辿り着いたのがこの場所でした。この地域の森は50%以上が原生林で、自然そのままの姿が残っているんです。豊かな森から大きな2本の川を伝って海に栄養が流れ込んでくるから、海も豊かになり、その恵みをいただいて滋味深い塩が生まれます。山の四季に合わせて海も季節ごとの顔を見せてくれるので、百姓庵では四季の塩を炊いているんです」と、「百姓庵」の井上雄然さん。

旬の塩は、その時期の体に合う。ということで、今回は冬塩をセレクトしました。夏は梅雨に山から流れ込んだミネラルが多く含まれていてうまみが強く塩味が少ないのに対して、冬は素材の味を引き立てるスッキリとした塩味を味わえます。

冬の静かな森のように凛としながらも春に向けたエネルギーを感じる、そんなお塩です。炊きたてごはんはもちろん、根菜の天ぷらなど冬野菜ともよく合いますよ。

根っからの心配性。
だからこそ毎日お米と真剣に向き合っている。

「今回の米はちゃんとおいしかったですか?」毎回お米を送ってくれるたびに不安そうに電話をくれるのは新潟市でお米屋さんを営む「飯塚商店」の飯塚一智さん。

飯塚さんは本当に本当に心配性で自分が届けるお米は毎日食べて味をチェックしているそう。心配性だからこその妥協の無さ。間違いなくおいしいお米を届けてくれます。 

お米は生鮮食品。いつも精米したてのお米を送ってくれる飯塚さん

飯塚さんが素敵なのは一般的なお米の等級などだけでおいしさを判断せずそれぞれに合う“おいしい”を一緒に見つけてくれること。例えば普段食べるおかずに合わせてお米を選んでくれたり出身地に合わせてお米を選んでくれたり。

今回は、おむすび用にお米をブレンドをしてもらいました。

「もっちり甘い新潟を代表する品種コシヒカリと、比較的サラッとあっさりしている品種コシイブキをブレンドしておむすび専用のお米をつくりました。

コシヒカリは“お米でお米を食べられる”くらい味があっておいしいけど、コシヒカリだけでおむすびにするとお団子のようになってしまったり、味が重くてたくさん食べられなくなってしまったりするので、コシイブキをブレンドすることで口の中でホロリとほぐれる、いくつでも食べられるお米を目指しました」

おむすび米をブレンドするために何度も試食を繰り返してくれた飯塚さん。配合が決まった後も、新米時期とそうでない時期ではお米の水分量が違うのでコシヒカリとコシイブキの割合を変えて絶妙にバランスをとってくれるなど、本当に細かいところまで気を配ってくれます。

味も、主張しすぎることなく程よい甘みとうまみで海苔やお塩とうまく調和してくれます。お米を気に入ったら、心配性の飯塚さんに「おいしかったよ」と念を送ってあげてください。

海苔、塩、お米と食材がそろったら、おむすびをむすびましょう!

今回のおむすびセットでぜひ食べてほしいのは、結びたてのおむすび!

冷めたおむすびもおいしいですが、温かいおむすびの幸福感を味わっていただきたいです。普段は冷たいおむすびばかり食べてませんか? 大切な誰かのために、ときには自分のために、丁寧に想いをこめておむすびをむすんでみてください。

《準備するもの》
・炊きたてのごはん
・3等分に切った海苔
・手水用の水
・お塩適量

①茶碗のごはんをまな板へ
炊きたてごはんを茶碗に盛り、ごはんを一度まな板の上に出します。茶碗に盛ることでおむすびの大きさを均等にしやすくなりますしある程度形がまとまるので、力を入れずにおむすびをむすびやすくなります。

②手のひらをぬらし、塩をまぶす

手のひらを濡らして指の腹3本分くらいでしっかりお塩を掴み、手のひら全体に塩をまぶします。「お塩多いかな?」くらいがおいしいです。

③まな板の上のごはんを手にとり、おむすびをむすぶ

このとき、手のひら全体でごはんを覆えるくらいの大きさになっているか確認してください。手のひらに対してごはんの量が多いとむすぶときに力が入ってしまうので、茶碗に盛るごはんの量を減らしてみてください。
ごはんの量を調整できたらギュッと力を入れず、お米とお米の間に空気を残すくらいの加減を意識してむすびましょう。握るというより、形を整えるイメージでむすぶと良いです。三角おむすび全体に均等に力が入るように、なるべく3回もしくは6回転でむすび終えましょう。 

④海苔を巻く

おむすびに海苔を巻きます。海苔がおむすび全体を支えてくれるように巻くと優しくむすんだおむすびが崩れにくくなります。

日本の究極のごちそうが完成。

海苔を巻いたら10秒以内にパクッといってください!

きっと、私がおむすびに惚れたことに共感してもらえるんじゃないかな、と思います。

ようこそ、おむすびワールドへ。

この記事の商品

菅本香菜
究極のおむすびがつくれる「米・塩・海苔」セット
残りわずか
¥2,980
商品を見る
菅本香菜
菅本香菜

私がこの“おむすび三種の神器”でおむすびを結ぶと、パクパク5個以上食べてくれる方が少なくありません。ポイントはおむすびをむすんですぐ、温かいうちに食べること。幸福感が格段にアップします!

関連記事

やっぱりごはんがたまらんクラブ

やっぱりごはんがたまらんクラブ

秋は新米! 餃子超人が伝授する、ご飯3杯いけちゃう餃子の食べ方

食欲の秋。新米の季節がやってきましたよ! ほっかほかの炊きたてご飯、まず何と食べますか? 僕は断然、焼き餃子。 バリバリの香ばしい焼き目とジューシーな肉餡。 滴る肉汁がご飯に染みて…… ほら、食べたくなってきたでしょ? ただでさえ美味しいご飯と餃子の黄金ペアが 最高に引き立て合う食べ方のコツ、教えます! ...この記事を見る

やっぱりごはんがたまらんクラブ

やっぱりごはんがたまらんクラブ

初めまして!ごはんクラブのTabebito、旅するおむすび屋こと菅本香菜です!

Photo by @Yuta Nakayama ...この記事を見る

やっぱりごはんがたまらんクラブ

やっぱりごはんがたまらんクラブ

やっぱり、ごはんがたまらんのです。

...この記事を見る

やっぱりごはんがたまらんクラブ

やっぱりごはんがたまらんクラブ

お箸が止まらない!全国「ごはんの恋人」たち

炊きたてのごはんを しゃもじでほぐす瞬間が好きです。 つやつや輝くお米たちが フワッと甘い湯気を放って 空腹を加速させちゃう、あの瞬間。 我慢しきれず、 しゃもじでごはんをひとすくい。 ハフハフしながら食べる 一口の幸福感と言ったら。 どんなに忙しいときでも、 私は炊きたてごはんさえあれば 幸せになれる自信がある。 そこにごはんのおともが添えられたら、 食卓は完成!箸が進む進む。 私の半分くらいは、 たぶん白米でできている。 そんな私が、全国で見つけた、 ごはんの"おとも"をこえて、 ごはんの"恋人"と名付けたくなる 名品を紹介します。   ...この記事を見る