100年老舗の秘密の調味 和田萬「極上胡麻」

100年老舗の秘密の調味 和田萬「極上胡麻」

俺はアホだった……。
何十回も出張で大阪へやって来ていたのに、
知らなかったコトがあった。

それは、大阪には、
『日本の味の守り人』が
神のように存在していたのです。

『天下の台所』と称された大阪には、
日本中の美味しいが集まってきた。

時代が変わりゆくなか、
美味しい歴史を途絶えさせることなく
『調味』を続けてきたのです。

『調味』とは、味覚やフレーバーを
ハーモナイズする『匠の技』。

今回は、『調味』に命を捧げる、
名職人たちをご紹介しようと思います。

第2回は、『和田萬』
5代目店主、和田武大さん。

美しい芳香に導かれ、胡麻専門店の工場へ!

「なんてキレイな胡麻の香り!」 胡麻専門店・和田萬の八尾工場に、僕がうかがったときのことです。工場の前に降り立っただけで、鼻がクンクン動き、近づくにつれその香ばしさは増していきました。

和田さんは新聞社勤務の後、バックパッカーの旅を経て2008年に家業を継いだ。今は、胡麻を通じて日本の食文化の素晴らしさを国内外へ発信し続ける

「遠いところを、楠本さんようこそ!」。出迎えてくれたのは店主・和田武大(たけひろ)さん。商いの町・大阪は天満で明治16(1883)年から続く、胡麻専門店・和田萬の5代目です。

大阪南部・八尾市にある自社工場では、胡麻の加工品を数多く製造。また、天満には土蔵をリノベーションした本店が。和田さんは現場とお店を行ったり来たりの毎日だとか。「何しろ工場で胡麻と向き合っている時間が好きで」って和田さんの現場主義、同感です!

直火焙煎し、色つや美しい金胡麻が完成

さてさて僕は、白衣とキャップを纏い、ローラーで埃を取り、消毒を済ませ工場の中へ。その徹底した安全衛生管理は、胡麻の製造工程のいたるところにも。和田さんが言うには「胡麻は農産物。だから砂や小石、枝などいろんなモノが混ざっているんです」。

国内外から届いた生胡麻は、風力でゴミを飛ばし、強い磁石で砂に含まれる砂鉄を除き、さらには水洗浄……と6回の選別を経て、ようやく加工のプロセスへ移るのだそう。「お客さんの口に入るものをつくっているという責任感は大きいですよ」。和田さんの真剣な眼差しに、こちらまでアツくなってしまう。

有機胡麻の美味しさを広めていきたい。

2012年から有機胡麻シリーズを展開。できたての感動を瓶に閉じ込める

和田さん率いる和田萬の胡麻製品に、僕は心底惚れているのです。

たとえば炒り胡麻「有機 金いりごま」は、スパッと弾けるような香りも、コク深い味わいも、抜きん出ている。他の追随を許さない……と感じるくらい力強い芳香がずっとずっと続く。

その理由は、生胡麻の素材選びと、自家焙煎にありました。「大手メーカーとは違う、僕たちの規模だからこそできることを」と話す和田さんは、国内外の『有機胡麻』の仕入れに成功。今では、有機胡麻だけを使った胡麻油のシリーズも展開しています。

それが、白胡麻・黒胡麻・金胡麻、3種それぞれをオイルにした「有機ごま油3点セット」。たとえば「有機ごま油 白」なら、「焙煎した白胡麻を搾油機で丁寧に搾り、和紙を巻いただけのろ過機で丁寧にろ過します」って、手間も時間もかかるんですね!

そうして和紙のろ過機から滴り落ちてきた艶やかな一滴一滴を、瓶詰めするのだ。搾りたての白胡麻油を少し舐めさせてもらった。有機胡麻の力強い素材感が弾けますね〜。深呼吸したくなるいい香りとクリアな味!

いっぽうの「有機ごま油 黒」は、コクに厚みがあるんですよ。そして「有機金ごま油 深煎り」は、力強い香ばしさがありながら、驚くくらいすっきりとした後味! スペシャリティコーヒーやナチュラルなワインに通ずる、繊細なニュアンスは「海外のトップシェフからの評価が非常に高い」と和田さんが言うのも納得です。

このほか、「ごまペースト」に使う胡麻だって、有機栽培を徹底。「いいものを子供たちに食べさせたい。そんな親御さんや、健康に気を使う方たちへ、毎日でも安心して、料理に取り入れてもらえるような胡麻の製品をつくり続けたい」。和田さんの素材への飽くなき想いに、僕は感動したのです!

胡麻の焙煎に、生涯を捧げる職人たち

選び抜かれた胡麻たちは、自家焙煎へと。こうやって職人さんたちが、指先で、胡麻の香りを嗅ぎ……焙煎の着地点を決めるのだ。まさにプロフェッショナル

そんな胡麻選びはもちろん、焙煎には代々受け継がれた驚くべき技がありました。「焙煎といえば、コーヒーをイメージするでしょう。胡麻にとっても焙煎が最も重要なんです!」って和田さんの目が輝いてる!

聞けば、4代目である父上・和田悦治さんが、和田萬独自の焙煎方法を確立。「父は40年以上、朝から晩まで胡麻と向き合い、焙煎してきた現役の焙煎職人です。ウチは小規模だからこそ、大手とは全く違うものづくりができる」と和田さんはきっぱり胸を張る。

たとえば「熱風焙煎」なら、160℃前後の熱風を当てて炒るから、焙煎機の中で胡麻が宙に浮いている! これぞダンシング・セサミ!って思わず僕は叫んでしまった(笑)。 「香ばしく、サクサクと軽やかな食感が生まれるんですよ」と和田さん。

この他に、鉄釜の中でじわじわと200℃の熱を通す「直火焙煎」もあるんだとか。「熱風焙煎に比べるとより深い香ばしさが付きます。「有機ごま油」などに使う胡麻がこの焙煎です」。

現場を見させてもらって納得。どちらの焙煎も、胡麻のプロフェッショナルたちが経験値と勘を頼りに、熱風や温度を微調整。そうして胡麻に、魂を吹き込んでいるのです!

「直火焙煎」を経た胡麻を、すり胡麻に。「すり潰すとその摩擦で香りが飛ぶから」と、和田萬では叩くことで摩擦を軽減し、香ばしさを保っている

代々受け継がれてきた伝統や技術を、次世代へとつなぐ和田さんに今の想いを聞くと、「守り続ける伝統があるからこそ『守らないこと』も大切です」と頼もしい一言! それはチャレンジすることを怠らず、攻め続けることだという。

たとえば、有機の胡麻を用いたシリーズなど、小規模だからこそできる製品づくりはもとより、「コーヒーではないですが、『胡麻のサードウェーブ化』を進めています」という和田さんのスタンスに、僕はかなりかなり共感を受けたのです。ちょっとだけおさらいしますよ。

コーヒーの「サードウェーブ」とは……豆の生産地への配慮や価値などが注目されるようになり、コーヒーがカップに運ばれるまでのトレーサビリティ、豆の素材や焙煎方法、淹れ方など、それぞれの工程にこだわったスペシャルティコーヒーのことです。

まずは和田さん、胡麻の有機栽培を実践している。奈良県に自社畑をもち、種を蒔き、草刈りをして収穫まで行うというのだからスゴい! 「国産胡麻の有機栽培も始めると、胡麻の個性を生かすための焙煎を考えるようになりました」ってまさに、「サードウェーブ」的発想!

「すべての製品ではないですが、『Farm To Table(農場から食卓まで)』を少しずつではあるが実践していけたら」。和田さんならではのアツい想いをぜひ、かみしめてほしいです。

この記事の商品

和田萬本店『萬次郎 蔵』
老舗胡麻専門店・和田萬「大阪ごまぽんず」
¥864
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ヘベレケ・カオリン
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直火焙煎した金胡麻の鮮烈な香りと、柑橘のフレッシュな風味が合わさった老舗胡麻専門店ならではのポン酢。余韻に広がる金胡麻の清々しくも贅沢な香りは唯一無二。

和田萬本店『萬次郎 蔵』
有機ごま油(金・白・黒)3点セット[老舗胡麻専門店・和田萬]
¥3,240
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楠本修二郎
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『白』はエチオピア産、『黒』はボリビア産、香り弾ける『金』はエジプト産。素材ごとに焙煎温度を変える、コーヒーのシングルオリジン的発想がスゴい! 個性の違いに感動するハズ!

和田萬本店『萬次郎 蔵』
有機 金いりごま(3袋)[老舗胡麻専門店・和田萬]
¥1,080
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楠本修二郎
楠本修二郎

味の濃さとコクの深さに感動! 噛めば有機胡麻のエキスがブワッと広がり、油とはうまみなのだと実感。そして胡麻のフレーバーが鼻腔から全身に染み渡るのです!

和田萬本店『萬次郎 蔵』
「有機ごまペースト(金)」(2個)[和田萬]
¥1,080
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楠本修二郎
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和田萬の有機金ごまペーストは、香りがとっても強いんです。だから混ぜたり、和えたり、塗ったり...... 。オールマイティーに使える優れもの!

和田萬本店『萬次郎 蔵』
「有機ごまペースト(黒)」(2個)[和田萬]
残りわずか
¥864
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楠本修二郎
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スプーンにすくい舐めたらもう至福の時...... 。思わず目を閉じて口角 が上がり、微笑む僕がいる(笑)。シンプルなスイーツにのっければ、あっという間に極上デザートが完成!

和田萬本店『萬次郎 蔵』
「有機ごまペースト(白)」(2個)[和田萬]
¥864
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楠本修二郎
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こんなに上品な胡麻ペーストが、この世にあったのか!ってくらい清々しく、優しい甘みが口いっぱいに広がりますよ!

GOOD EAT CLUB
極みの調味料3選(各1個)
残りわずか
¥1,530
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楠本修二郎
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ワンパターンな『おウチ鍋』が、全く違う極上の味に!「本格十倍出し」で味を調え、「有機金いりごま」で豊かな風味をプラス。「極上七味」で味変でエンドレス! 〆の雑炊やうどんにも、3商品を活用して満腹至福です!

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